毎年この時期の上京は、
数日前から天気予報とにらめっこ。
雪はどうかだの新幹線は遅れないかだの心配は尽きないのですが、
今回は、明るい陽射しの中、
東京駅から有楽町までを、ストールも外しコートもボタンを開けて歩いてました。


帝劇が一年ぶりになるのはいつものことだけれど、
地方公演がなかったことで、SHOCKに触れるのも一年ぶりです。
客席に座り、「さぁ、大事に観させてもらおう」って
なんだかとても力が入りました。


今更私なんぞが言うことでもないですが、
光一さん、押しも押されもしない座長業がもうすっかり身についていておられる。

この日は、時にわりと遠慮のかけらもない(とも思える)咳をされてましたが、
「この時期やからしゃあない」的な明るい開き直りと私は受け止めました。
咳が出てしまう状況ともうまく共存して乗り越えている、というのかな。

不思議なもので、
歌声もセリフも、咳が出ていることとはまるっきり無関係のようで、
よく伸び響くその声は驚愕ものです。

とにかく声がいい。素晴らしい。

SHOCKという舞台をよくするため、
舞台人である自分の向上のため、
考えうる限りのことを成しているんだろうとしか思えない。

リチャードの芝居は、本当にあの劇中劇にとどめてしまうのが惜しい。
あれを何とか世に出すことってできないのか、と。
今年は評論家の方も、あのシーンへの高評価な言葉がいくつもあって
「ああ、届いてはいるんだ」と思うからこそ、
余計にこのもどかしさが抑えられないです。

フライングの美しさに改めて魅了され、
ダンスは一段としなやかに、柔らかさも出てきたかのよう。
一方、夢幻では魂の込められた、
これ以上はないくらいの力強さもガンガンに伝わってくる。


殺陣のあの演出が、今年の一番の変更になるでしょうか。
全然知らないままだったので、
「何が起きる??」と驚きながら食い入るように見てました。
和太鼓だけの響きは、逆に劇場を静寂へ誘う。
緊張と気迫がそのまま客席に届けられる。
袖に入らないままともなると一段と体力の消耗もきついでしょう。
それでも敢えてのその演出、
なんでこうまでして過酷を選ぶんでしょうねぇ・・・


そして、これまでにない今年のSHOCKのもう一つの見どころ。

座長の肉体そのものです(〃▽〃)

デカい。
屋良君も書いてるけど、ほんと今年の座長はデカい。
背も伸びてないはずなのにデカい。
チビ感のかけらもない。

腕や胸が見え放題の2幕は圧巻。

より雄々しく
より精悍に。

カンパニーを全力で牽引するという人物を
鍛え上げた肉体で体現しているかのようにも感じられました。

実は何年かぶりかに、帝劇でポスターに手を出してしまいましたの。
ほほほ(#^.^#)

とはいえ、
衣装を装着すれば、これが実に不思議なことに
いつものスレンダーでコンパクトで、時にキュートなコウイチになる。

昨年夏、彼の上半身のバンプアップ具合に、
「おいおい、コウイチってこんなゴツイ系のキャラちゃうやろ・・」
と若干の不安を抱いておりましたが、
なんのなんの!
強さだけでなく、
優しさや切なさ、儚さも兼ね備えるこのストーリーと、
光一さんが本来携えている魅力のエッセンスは健在。

こういうとこ、彼はものすごい不思議ちゃん。

そして、たまらなく魅力的すぎる。



雅さんのリカ。
「ごちそうさん」見てました。
結構あのイメージがそのまま、って感じがしたかな?

これまでにない低いトーンの歌声、
意外なほどに光一さんの声と相性がよかったです。
ただ、セリフの声も低めなので少し淡々とした印象になってしまいがち、かな?
男性ばかりのカンパニーの中の紅一点となるには、
舞台の上だともう少しはしゃいでもいいのかな・・・とも思ってしまったけれど、
そこは私の好みが勝ちすぎてるのかも。

リカは本当に難役。
鍵を握る芝居に加えて、ほとんど経験のない若い女優さんに、
歌や日舞、最後はあのトラヴィス・ペイン振付のダンスまでやれと言うんだもんね(笑)
しかも客席には小うるさい小姑がたくさんいるようなもの。
(私も含めです(笑))
リカ役のみなさんの努力には、本当に頭が下がります。

回数を重ねるごと、技術でも内面表現でも、
どんどん変わっていくリカ役の方々をこれまでもをたくさん見れてこれたので、
まだまだ今後に期待を寄せます。


新加入のジュニアの皆さんは本当によく動いていて
SHOCKをよく学ばれた上で板の上に乗っているなと感じました。

浜中君、声がいいですね。歌もよかった。
ただ、声、セリフ回し、立ち姿といい、
もし地方のライバル役がまた内君だとすると、
ちょーーっと被ってくる気配を感じたりしてるんですが・・・
(双方のファンがおられたらごめんなさい)
みなさん、どう見えてるんでしょうかね?(^_^;)



Yes, we canから一気に劇場中に響くアンサンブルのコーラス。
歌の部分を強化したというだけのことはあって、
キャスト全員が全力で歌い上げる各所で、
SHOCKはエンターテイメントショーではなく、
ミュージカル作品なんだというカンパニーの気合いのようなものが
洪水のごとく押し寄せてきます。

「Endless SHOCK」を国産随一のミュージカルに位置づけるための底上げには、
耳にするだけで、その演目タイトルが浮かぶだけの絶対的な楽曲が必要。

楽曲の強化=歌の威力。
そのために、アンサンブルから見直すというところに、
光一さんの作品のレベルアップへの本気度が見えたような気もします。

レミゼに「民衆の歌」があるように、
ウエストサイドに「Tonight」があるように、

「New Horizon」や「CONTINUE」を聴くだけで、
「ああ、SHOCKだね」って言ってもらえるような
そんなミュージカルになればいいな。

でも、もしかしたら今のこのカンパニーの歌声からは、
いつかそんな日が来るかもしれない、

ファンだからこそのそんな熱い期待は抑えきれません。

その実現のためのサントラが、どうしたって欲しい。
絶対に欲しい!
欲しているのは、ファンだけではないはず。

カーテンコールの男性アンサンブルの挨拶の曲も変わりました。
ブロードウェイの空気満載のあの曲をまた最後に聴けて、
手拍子で参加できる喜び。

ああ、なんて楽しくて、素晴らしいミュージカルなんだろう。


桜の表紙のパンフレットも素敵です。
パンフだけは、ソロコンよりもSHOCKの方がいつも期待を込めてしまうんです。
彼の中にある熱さや優しさ、厳しさ、生きざまが、
文字の至るところに溢れているから。

そして今年のテキストの中で、
何度も何度も出てくる「心」という文字。

歌にしろ芝居にしろダンスにしろ、
そして今はフライングにしろ、
そのすべてから「心」が見えてくる舞台。

技術的には到底敵わないという作品だって世の中にはあることはわかっているけれど、
こんな舞台には、そうそう出会えるものではないと心底思えます。

ファンの力だけで、
1500回分の座席を埋めつくすことなんてできないのですから。


最初は「光ちゃんに会いたくて」通いはじめた帝劇。
今は「この作品の中の光一さんに会いたくて」、
新幹線に飛び乗っています。

カンパニーそのものの素晴らしさはもちろんのこと、
光一さんの経験や技、圧倒的な座長力を見せつけられた、
完璧とも呼べる2017版でした。



力強いとはいえ、やはりこの作品はSHOCK。
明日は、いや今日だって何が起きるかわかりません。
1500回を見据えて、メディアの露出や注目度は高い。
その嬉しさの反面、
内心怖くてたまらないものもある、というのが正直なところです。

どうか最後の最後まで、
いや、地方もある今年はどこをめがけて最後と言えばいいのかわからないくらいだけど、
とりあえずは1500回が終わるその瞬間まで、
座長もカンパニーも、無事に走り終えてほしいと心から願います。


パンフの中のトラヴィスの言葉をそのままお借りして、

「光一さん、私達の心の中にはいつもあなたがいる。
 どうかそのことを覚えておいてください」