Overture=序曲、前奏曲


生き物のように自在に動く円盤トラスとレーザーの光は、
フードを被った男を地上に送り込んだ。

ここを「降臨」という言葉で表現される方は多いけれど、
今目にするその場面は、その言葉以外思いつかない。

伸ばした指の先、男はその円盤を一度自ら消滅させる。

円盤は消え、
音も消え。

彼の第一声と、特効の大爆音とともに、
Spiralは始まる。




美しいもの
おもしろそうなもの
ビックリしそうなもの
心が動かされるもの

「制限との闘い」とは言いながらも、
彼の脳裏に思い浮かぶことをそのままに、自由に取り込む空間になっているソロコンという場所は、
3年に一度だけ味わわせていただける、SHOCKとはまた別腹のごちそうです。


長くファンをやってきていても思ってしまう。

なかなか、ここまでのエンターティメントに出くわすことはない、と。



照明やセットなどのハード面でのゴージャス感。

予算と現実のジレンマを抱えつつも、「やりたい」を許してもらえる。
これこそが、光一さんのソロがこれまで出してきた結果なのでしょう。

それは、以前流れてきたサカナクションさんからのお話にも裏づけられています。
業界の方ですら、ヨダレが出そうな演出が次々。

わざわざ自分から何かを説明しなくても。
光一さんの凄さは、いつも外部から届けられてくる。

「すごいすごい!」といつもいつも口ぐせのように叫んでおきながら、
なにがどう凄いのかを、実は私達ファンが一番理解しきれていないのでしょうね(^_^;)

だからこそ、こういう外部から上がる声って、本当に貴重だしありがたいのです。

きっとまだまだこのライブの仕掛け、
見る人が見れば、
「すっげーーよ! 堂本光一!!」
が、いーーーっぱい隠れてるんだと思う(*´∀`*)




やたらとMUSEの振り付けが色っぽかったり。

Knock me downの光ちゃんのステップがやさっぽくて男前すぎたり。

Over Youの甘く柔らかいファルセットにとろけそうだったり。

ガン見しちゃったNight Wandererの仕掛け。
スイッチを切り替える指が器用だなーとへんなとこ感心したり(笑)

改めてDEAD ENDは18禁だなーとか(笑)
この曲からモンスターは会場中一気にオペラグラス率上がってました。
はいはい、好きですよ、すいません。
わかってらっしゃるなー、光ちゃん(//∇//)

Bongo Drumは、ライブで見事に化けた曲。
提供曲は、見たこともない光ちゃんをたくさん生んでくれる。

SHOCK!はあんなに見事な照明が組まれているとは思いもしなかった。
たぶん、何度あれを生で見るチャンスをもらっても、
光ちゃん以外の背景には目が向かなかったであろう愚かな私・・・(ーー;)


Amiさんとのデュエットもかっこよかったなー。
キツイと言っていたBongo Drumの直後なのに、歌が抜群にいいっ!
最近女性が隣にいるシーンを目にすることが増えたけど
(とはいえまだまだ少ないけど)、
こんなに女性と歌う画面が似合うとは思わなかった。
男前すぎだよ、光ちゃんは!(笑)
いつかテレビでも、この手のロックテイストの曲を、
こんなふうにハンドマイクで、女性とノリノリで歌ってる姿を披露してくれてもいいなぁ。

ツアーも終わりの名古屋になって、
やっとその楽しさを味わうことができた、最後のフルサイズのINTERACTIONALは、一人きりのリビングでもめちゃめちゃ楽しかったです♪
ついつい横揺れしちゃってる私になってました♪♪
(誰にも見られてないはずw)


どの演出、どの照明にも負けない、ダンスと歌があるのはもちろんで。

ダンスは、どこで一時停止で止めても完璧で美しすぎるポジション。
そしてこれほどの動きの最中、会場に響く声の張りの凄いこと!

プロだもん、あたりまえでしょ?って辛口の方もおられるかな?

ぜーーーったい、こんなの当たり前じゃないんだって!!

ね?ね?


寄りの具合も完璧だ。

遠からず近からず。
今回のもうひとつの主役といってもいいくらいの円盤トラスを視界から外すことなく、
どの曲の彼の動きも、とても忠実に、最適な環境で映し出してくれていると感じました。
こういうの、ほんと嬉しいものです。


あ、ちょっとハマったシーンのお話を。

バルコニーの時の、天井いっぱいの電飾。
堂本光一のソロライブ、
しかも横浜アリーナでしか経験できない、このライブの後半戦最大の盛り上がり場面ですよね。
曲が終わり、次々と光が点灯していくその光景を、
彼はほんの少し、自分の頭上だけ見上げるだけ。
会場中から湧き上がる歓声やどよめきのその声だけで、
この会場だけの壮大な演出が、問題なく成功しているということを、
彼は自分の目で確認することなく、察しているのですよっ!!

これって、なんでもないようで、
ものすごいスタッフさんへの信頼ではないですかねっ!?

おおげさかもしれないけれど、
こういうなんでもないところ、
もうほんとに胸が詰まってくるんですよ、私ったら(T_T)



そして最もこのツアーであらわになったことは、

光一さん、果てしなく美意識の高い方だということ。

男女ともに、
プロのダンサーさんと並んだ画面の美しさは、
パフォーマンス、ビジュアル共に圧巻です。


これは、これまでのどのソロコンも叶わない。


映像の全部!
全部がですよ!!

ビジュアル的なもの以外でも、
ダンスの技量、すべての演出、構成において
「見苦しいものは許さない」
というサブタイトルでもつけられているかのような(笑)
あの光一さんの辛口魂を画に書いたような仕上がりです。



SHOCK!が終わり、
LOVE CRIESのイントロで、
目をつぶり、両腕で顔を隠して何かを堪えるかのように宙を仰ぐ光一さんの姿。

ファンのみんなが、
この一瞬の彼の横顔に、心を動かされたと思います。
私は少なからず動揺してしまって・・・。


編集は彼自身が手がけているわけですから、
見せたくないと思えば、もちろん、この時の自分の姿だって省けたはずです。

もしかしたら、これまで以前の彼だったら、
こういう自分の姿は「見せるものではない」ものだったかもしれません。

それでも残した。


名古屋だけのことでなく、
どの会場のどの回にも、きっとこういう彼はいた。
そういう自分であったことを、彼は自分でも認め受け入れ、後日きちんと語ってくれている。

決して美談とか逸話にすることなく、
それがその日の自分だった、ということ。

そんな自分を見せ続けてきたのが、この「Spiral」というツアーだったということ。

あれを省かなかった光ちゃんの潔さに、今はもう出す言葉を持ちません。




ドキュメントを通じて改めて感じたことは、
光ちゃんのソロワークは、ハンパな思いではできないということ。
着手し、動き始めても、緩い覚悟では最後までやり通せないということ。


私、そしてもしかしたら、あれをご覧になったファンの方々の中にも、
今後はそうおいそれと軽々しく、「ソロコンやってやってぇぇ!」とは言えなくなったな、
と感じている方もおられるのでは? と思ったりしています。

アンコールでも言われていた。
何年先になるかわからないと。

うん、そりゃあそうだろう。

あそこまで空っぽになるくらいに、すべてを吐き出してくれた彼を、
全部の回で私達は見せてもらえた。

こんな幸せってあるでしょうか。

どういう手段なら、私達は彼に「最高の時間をありがとう!」って間違いなく届けることができるんだろう・・・





あることが、ずーっと気になっていました。

ツアー後に、会報で、「SpiralはGravityを超えなかった」と話されていたこと。


この映像を見終わって、もう一度あの会報を読み直してみたのです。


単純に、体調管理がうまくいかなかったあの日々が、彼の中で生々しすぎたのか。

あのインタビューはもしかしたら、ツアー終了後あまり間がない時期に行われたものだったのかな。
改めて会報を読み返し、そういう印象を受けました。

その後は、映像作業をする中で、何度も何度もその時の自分を見返す時間は十分にあったでしょう。
周囲の評判もきっと耳には入ってきていたでしょうし。


これほどのものを残してくれて、
こんなにも私達は幸せなのに、
光ちゃん自身が、今もGravityを超えなかったって苛まれながら過ごしていたなら
こんなに切ないことはないなって。


あのインタビューの時よりは、精一杯がんばった自分とライブの出来に、
彼自身が得心してくれてたらいいなって思えます。


いやいや、
これも余計な詮索かな?(笑)

あーー、今すぐ目の前で、
「めんどくさっ」って吐き捨てて笑い飛ばしてほしいんだけどなぁヾ(*´∀`*)ノ




今ままでのソロツアーの中で、回数としては一番少なかったSpiralツアー。


素晴らしい出来栄えに、ネット上は賑わっていたけれど、
ファンの間で言葉にされていたことが、
コールの問題だったり、名古屋の熱中症だったりの記憶の方が大きくて、
渾身の力を振り絞り、あれだけのものを見せてくれた彼にむけ、
私達はなんて失礼なことをしてしまっていたんだろうと。

ドキュメントのあと、本編映像を見て、
そう自分を一喝してやりました。


いろいろいろいろあったけど、

みんな、光ちゃんが好きなんだよね。
大好きでたまらないんだよね。

いろんな方向の言葉はあっても、
自分達だけじゃなく、
光ちゃんにも幸せでいてもらいたいって、その一心なんだよね。


踊ってる姿も、
歌ってる姿も
ふざけてる姿も、
大汗かいて息切らしてる姿も、
悩みもがいてる姿も、

その全部が、今彼が生きている証。

彼が元気で、しっかりと前を向いて生きてくれてさえいれば、次も必ずある。


彼がまた、いつか私達の前に立とうと思ってくれるその日まで。

「やろう」と声を出してくれるその日まで。


「幸せに待つ」

これも、素敵な映像の数々と共に、光ちゃんが私に届けてくれたことです。




「あのトラスを解体して捨てちゃったのか取ってあるのか、僕は知らない」
って最後は笑ってるあのくだり。
あそこが大好きでたまらないんです。

こんなに曖昧で自由すぎる話しぶりでも、
全然なんの約束のない中でも、
私達は彼を信じられる。


光ちゃんは言わないけれど、
本編とドキュメントの2つの映像は伝えてくれている。

光ちゃんのソロワークは、
いつだって、「to be continue」って字幕で終わっていくんだと。